SAMITのおはなし

はじめに

この記事は 地方IT勉強会 Advent Calendar 2019 22日目の記事です。

SAMIT との出会い

さて、いきなりタイトルで「SAMIT」と言いましたが、SAMITは「Seminar At Muroran Institute of Technology」の頭文字をとったもので、その名の通り室蘭工業大学内のIT勉強会です。もともとは僕のずいぶん上の先輩方が立ち上げた勉強会でしたが、続けていく人がいなくなって僕が入学した頃にはすでになくなっていました。

じゃぁ一体どこでSAMITのことを知ったのかと言いますと、B2だった頃の春、OSC Hokkaido 2014 ぐらいのことだったと思います。ちょうどこのとき僕がLOCAL学生部に入って、LOCAL学生部のOBかつ室工大のOBでもある「らぁ」さんから、大学時代の思い出話としてSAMITの話を聞いていました。らぁさんがいた頃はSAMITでRubyの勉強会などをやっていて、割と盛り上がっていたそうです。それなら先輩方がせっかく立ち上げたその名前を引き継いで、学内勉強会を復活させようかという感じの軽いノリで始めたのが今に至るSAMITのルーツとなります。軽いノリ、と言ったものの「札幌でばっかり勉強会やっていてずるい。室蘭でもやりたい!」という感情が(思い返せば高校生ぐらいの頃から)自分の中にありまして、それを発散する場としてちょっと学内で勉強会やってみたいなと思ったのもモチベーションのひとつだったりします。

新しい SAMIT のスタイル

やると決まれば、次は巻き込む人と開催内容です。巻き込む人にはいつも仲良くしてたfujiwalatexさんを中心に、弊学のゲーム作成サークルであるMPC所属の同級生の皆さんに色々と手伝ってもらうことにしました。学生会館の2階にある部屋の利用手続きなどをしてもらったり、勉強会情報をサークルのMLに流して参加者を集めたりしてもらったりしていました。開催内容に関しては「授業補完」的な感じの路線で行ってみようという感じに定めてみました。授業では詳しくやらないけど知っておくとこの先有利なことなどを説明する回にすれば人が集まるかなーという算段だったのですが、割ともくろみ通りにB1の皆さんが参加してくれるような勉強会になったと思います。

さて、そうして記念すべき「第1回」SAMITは2015年5月22日に開催されました。内容は「Ubuntu 15.04 日本語 Remix のインストール」です。スタッフ含め15人ぐらいが参加していたようです。主にB1で開講されるUnixリテラシーの授業を補完する内容として、自分のマシンにUbuntuを仮想マシンで導入して授業の課題を演習室に来なくてもできるようにしようというコンセプトでの開催でした。こちらにそのときのブログがあるのですが、なんと第1回から「昼懇親会」を開催していたようですね。これも勉強会定番の懇親会をどこに入れようかと悩んだときに、お昼をまたぐようにタイムテーブルを設定して、夜ではなくて学食での昼食を懇親会代わりにしてざっくばらんな話をできる時間を設けようというコンセプトでした。これは今後SAMITの定番スタイルとして根付いていくことになります。

この「第n回」となるような少し大きめのイベントの他に、並行して「Weekly SAMIT」なる試みも始めています。弊学の情報棟には誰もが自由に使えるラウンジがあるのですが、そこを週に1回予約して、雑多なことをやっていこうという試みです。実はあんまり記憶になくてブログを読み直しつつ書いているのですが、Python3系の環境構築だったり、Haskellの話だったり、Woflram言語についてだったりと、SAMIT中心メンバーの趣味を垂れ流していくような、とても楽しい空間だったんだなと思い返しています。

ちょっと話を横道にそらしますが、学生会館の会場予約についても大学事務側ともめたりもしました。事務のルールでは「予約したい前の月の月末にならないと予約を受け付けない」というシステムだったのですがそれだと月初開催したいときにConnpassでの事前申し込みなどがしにくくなってしまいます。それで事務の人に「せめて1ヶ月前から予約できないか」と 大バトル 交渉をして、なんとか認めてもらったりしたこともありました。まぁ、そのあとそういうのをいちいち説明するのが面倒になって情報棟のゼミ室を 勝手に 予約して使うようになるんですけどね…

実は第5回に相当する回からSAMITの命名規則で使っていたカウントアップ方式をやめてUbuntu方式に切り替えています。なんとなくギークな感じにしたいよね、というこれもかるいノリで始めたものなのですが、今でも使われる命名方式になってます。1ヶ月に2回開催するときなんかはポイントリリースなんかも模して使ってましたね。

サークル化する?

一瞬非公式学内団体であるSAMITをサークルに格上げして、サークルとして受けることができる権利を享受しようかどうか迷った時期もありました。しかし結局のところゴミ拾いとか部長会議とかに参加して徳を積まないと、格上げもその後の部としての格の維持もできないということで逆にフットワークが重くなるんじゃないかという結論に、至りサークル化を辞めたという経緯があったりします。SAMITとしては好きなときにふらっと開催できるのが良いよねという方針で今に至るまでゆるーく開催しています。

思い出の回

自分として思い入れが強かったのはポインタの回ですね。実はポインタの話は2回やっているのですが、1回目はインフルエンザにかかって話しに行けなかったという悔しさがありまして、2回目でリベンジをようやく果たせたという経緯があります。

授業でするポインタの話は個人的にどこか腑に落ちないところがあるので、それならば徹底的にかみ砕いて説明してやろうじゃないかというあるいみ「講義への挑戦状」を叩きつける感じの勢いで開催していました。実際ポスター作ってもらったら「怒りのポインタ講座」なんてものができあがってきまして、情報棟内に貼っておいたらいろんな先生方から突っ込みのお言葉をいただきました…

SAMIT 17.06.1 も思い出深い回ですね。これもまたUbuntuインストール講座だったのですが、ちょうど自分がM1だったこともありUnixリテラシー演習のTAをやっていたので先生に頼んで授業内でCMをさせてもらえることになりました。で、CM自体は淡々と終えたのですが、M2のTAの方々がぼそっと「こんなことやっても意味ないよね」とか「どうせ誰も来るわけないじゃん」とか言ってるのを聞いてしまってですね「はーお前ら勉強会も主催しないでよくそんなことが言えたな」と心の中で思ったものです。ま、結局19人も来てしまって急遽ラボのボスに頼んで大きい会場を取り直したんですけどねwww

そして次世代へ

今に続くSAMITを復活させた我々世代もついにM2になりまして、なかなか勉強会の開催が難しい時期に突入してしまいました。そんな中偶然にも頼もしい後輩方に恵まれまして、つい先日にもSAMITが開催されているようです。現在のSAMITは我々がやっていたときとはまたちょっとスタイルを変えていて、その時々の各自の進捗を発表するL(Lightning or Long)T大会風のスタイルを取り入れているようです。

世代世代で変わっていくSAMITですが、メインメンバーがやりやすい形で無理なく続けていくのが継続のコツなのかなという風にも思いますので、僕らの世代がやっていたようなことをまるっとまねするのもよし、まねしないのもよしということでゆるゆるっと活動してくれればなーと思ってます。ゆくゆくは、さらに後輩へと引き継がれていくと良いなと。

地方にある学校で学内勉強会をやる意味

僕がまず一番に思うのは「同志を見つける」ことに尽きると思います。情報系の中でちょっと尖りたい人が先輩や同期、あるいは後輩から刺激を受けることができる場を大都市に行かなくても用意できる、それだけで十分な価値があると個人的には思っています。「こんなすごい先輩がいるんだ!」とか「同期や後輩に負けてられない!」とかそんな風に思ってくれればもう狙いは達成できているようなものだと 勝手に 思ってます。

特に北海道は広すぎて、他の大学や技術者とのリアルでの交流もままなりません。そういう機会は年に数回、特にOSC北海道とLOCAL学生部の総大会ぐらいしかないと思います。そこで学内勉強会をそこそこの頻度で開催することで定期的に刺激を与えたり受けたりして良い感じのモチベーションを保っていけるのかなと思うところです。そしていつの間にかSAMITを主催する側になっていたりするという今の好循環ができあがっているのかなと感じています。

おわりに

そういうわけで僕が再起動したSAMITの思い出話を延々と語ってきました。僕としてはカジュアルなアウトプット文化を弊学に「レガシー」として残してくることができて非常に嬉しく思いつつ、それを引き継いでくれた後輩たちに感謝してもしきれないぐらいの気持ちでいます。これからもあんまり気負わずにゆるーくSAMITを続けていってくれればなと。

ところで弊学で改組があり、共通学科として入学してくるせいで新人発掘が若干難しくなっていると聞いています。さらに今年は祝日が多かった都合上、生協主催の非公式サークルも参加できるサークル紹介が開催できず、B1にSAMITを紹介する機会を逃してしまいました。そうした新入生の中にもし仲間を探している人がいたら、仲間を探すならSAMITがあると僕は自信を持ってお伝えしたいのですが、それができずになんとも歯がゆいところです。来年の5月でSAMITは5周年になるわけですが、果たしてさらに5年後に10周年を迎えることができるのか、改組後の大学でどうやって尖った人材の刃先を研いでいくことができるのか、引き続き注目していきたいと思っています。

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